2017-02-15

アウディ1.8/2.0TFSI のオイル過消費問題、ドイツ本国でも未だ問題視されるその酷さ ~原因やら対策やらのリマインドも書いてみた~

このブログの原点とも言える(?)、アウディのオイル過消費問題。
ドイツ本国でも問題視されていることは、以前お伝えした通りですが。

未だそれらは収束せず、むしろ独自に調査を進めているドイツAutoBild誌への報告件数は増加の一途をたどっているそうな。
で、そんなAutoBild誌の見解も興味深かったので、久々に書いてみます。



まず驚いたのが、この結果。
※画像は 2017/2/14 AM5:30(GMT+9:00)時点のデータ

AutoBild誌が行った、TSI/TFSIのオイル過消費に関する読者投票の結果なのですが。
ご覧の通り、投票者の約半数がオイル過消費状態に陥っています。
さらに言えば、TSI/TFSIエンジンの車を所有している方だけで見ると、7割近くの方がオイル過消費に該当している模様です。

また、この記事に対するコメントの数もハンパなく。
ゆうに300以上もの激論が交わされている模様です。
が、ドイツ語なのでさっぱり分かりません(苦笑)


以下の写真は、そんなオイル過消費症状のある車輌のエンジンを分解したヘッド部分です。


もう、カーボンスラッジの量がとてつもなく多いですね。

で、このカーボンスラッジが悪さをしてオイル過消費に至るわけですが、どうやら以前私が予想したのとAutoBild誌の読みは一致しているようです。

詳細は各リンク先に譲りますが、抜粋くらいは書いておきます。
  1. 直噴エンジンで多量のカーボンが発生
  2. そのカーボンが徐々にスラッジ化
  3. オイルリングにある穴に目詰まり等が発生
  4. シリンダー壁のオイルを掻き落とせなくなる、又はオイルリングの穴からオイルが戻らなくなる
  5. 燃焼室にオイルが入り込んで燃える(いわゆるオイル上がり
  6. 燃えたオイルがスラッジ化し、更なる悪循環を惹き起こす
とまあ、こんな感じのプロセスなのでしょう。


こうなるモデルは、やっぱりMY2008~2011が多いようですね。
これについても、私が調べた通りでした。

それにしても、アメリカでは訴訟沙汰にもなったこの事象。
そんなUSAでは129,000台を無償修理し、おまけに8年保証も付けたようですね。

引用元の本文を英文に置き換えて翻訳を試みたものの、その意図をよく汲み切れていない部分があって、この無償修理と保証の合意によって "They are degraded to second-class customers"(彼らは2級顧客に降格させられる)になぜつながるのか、そもそも「彼ら」は誰なのかよく分からないのですが。
いずれによ、ディーゼル問題もあったアメリカですから、他国よりも多少手厚くしているのが実情のように思います。


そんなこんなのオイル過消費ですが。
その修理方法は、以下の2点(2ステップ)になります。
  1. オイルセパレーターを対策品に交換
  2. ピストン(コンロッド含む)を対策品に交換

とは言え、結局のところ本当に直すには、ステップ2に当たるピストン(コンロッド含む)を対策品に交換しなければならないです。
なんせオイルリングに設計上の瑕疵があるわけですし、オイルセパレーターを換えたとて焼け石に水ですから。

なお、日本の場合、新車もしくは認定中古車の保証期間内でオイル過消費の症状を再現させるテスト(1,000kmで0.5L以上のオイル消費を確認)してからでないと、無償では直してくれません。
しかも、原則的には先述の2ステップのそれぞれで、このテストをする必要があるようです。(例外もあるかもしれませんが。)

もちろん、有償なら何年経ってからでも直してくれますが、その額は2年前に私が調べた限り、オイルセパレーターの交換が8万円ほど、ピストン交換が80万円ほどでした。
直したい方は、ご自由にどうぞ(笑)


さて、そんなオイル過消費ですが。
放っておいた場合、どうなっちゃうんでしょうか。

下手すると、エンジンが壊れます。
というのは、燃焼室に入り込んだ(上がった)オイルがスパークプラグの電極に付着して溶融させることが、それなりの確率で起こり得るからです。
そのタイミングが悪い場合、ともすればエンジンに致命的なダメージを与えかねないと思うんですよね。

というか私、それでエンジンが壊れかけまして、不動になる前に処分した次第です。
上の写真はそうなった時のスパークプラグの様子、下のリンクはその時の克明な記録です。

【乗換実録②】

さらばA4、そしてアウディ。また逢う日・・・は来るのか?

もちろん、そんな状態ですから売却価格は推して知るべし。
というか、数年前からオイル過消費問題(&この年代のSトロニックの故障率の高さ)は世に知られていますから、買取価格はそれを織り込んでいるはずなので、どうあれそう高い価格では売れなかったでしょう。


では最後に、もしもオイル過消費車両に該当するけど、どうしても乗り続けなければならない場合、どうしたらよいか。
これを書かずに終わると救いようがなくなってしまうので、それだけ書いて終わりにしておきます。
  • 5,000km(シビアコンディションは3,000km)毎のオイル交換
  • オイルフィルターはオイル交換の度に交換
  • オイル交換2回につき1回はフラッシングを行う
  • スパークプラグは10,000km毎に交換
すべて私が経験則から導いたものですが、これくらいは最低やらないとトラブルは出やすいように思います。
なかなかの手間ですよね。
でも、これをやったからトラブルが完全に防げるかといえばそうとは限らず、致命的なトラブルに至る確率を少しでも下げるには最低これくらい必要といったものであることにご留意ください。

といったところで、結局あまり救いようがない感じになってしまいましたが、この辺でm(_ _)m


んでは!