2017-01-22

【DIY@家ネタ】コンセントやスイッチの高さは簡単に変えられます ~但し木造軸組み工法の内壁かつ非耐力壁に限る~

コンセントやスイッチの高さ、ちょっと変えたいな~って思ったことありませんか?
例えば、部屋の模様替えや新しい家具の購入などなど、そう思うことは少なくないと思います。

そんな私も、娘のピアノを購入してその置き場からスイッチやコンセントを移設する必要が生じまして、スイッチとコンセントそれぞれ1箇所の計2箇所をDIYで移設した次第です。
こんな感じで。

で、場所等は限られるものの、高さを変えるだけであれば、百数十円の材料費と十数分の手間で済んじゃったりします。
しかも、動かした後はご覧の通りきちんとした部材で隠すこともでき、それほど見栄えも悪くありません。

そんなこんなのDIY@家ネタです。



具体的なDIYについてのそれの前に。
何点か、前書きをしておきたいと思います。

まず、この方法ですが、木造在来軸組み工法系の建築物に限られます
鉄筋コンクリートや鉄骨造などは不可能ですし、2×4やパネル工法なんかは難しいと思います。

さらに、木造在来軸組み建築であっても、できる場所は限られます。
その可能な場所は、内壁(間仕切り壁)かつ非耐力壁(筋交い等がないところ)となります。
(これについては後半で詳述します。)


というわけで、そろそろ本題に入りますか。

【注意事項】
  • 該当するスイッチやコンセントの元電源(分電盤のスイッチ)を切る
注)感電すると結構痛いですよ。。(経験者は語る

【必要な道具】
  • プラスドライバー
  • カッター
  • 下地探し
  • 電工手袋(やむを得ず分電盤の元電源を切れない場合。非推奨ですが。)

【必要な材料】


【DIY施工ハウツー】

このコンセント、元々下にあったものを上の方に動かしました。
下のままピアノの陰にしても一応は問題なかったのですが、埃溜まりになってトラッキングとなるおそれもありますし、(あまり頻繁にはないと思いますが)抜き差しするのに不便なので、ピアノの天板より上になる位置まで動かしたのです。


そんなわけで、まずは既存のコンセントの取り方から。
なお、以後すべてスイッチでもまったく同じ手順でできます。


正面のパネルを取ります。
ご覧の位置に爪を引っ掛ければ、ぺりっと簡単に取れます。


で、この状態になるわけですが。
正面にあるプラスのネジ4本(小2本+大2本)を、すべて取り外します。


そうすると、コンセント本体を外せます。
その裏に、スイッチボックス(コンセントボックス)がありますが、これがコンセント本体の下地の役割を担っています。


そんなスイッチボックス(コンセントボックス)は、木ネジ1本で柱か間柱に留めてあります。


というわけで、このネジも外します。


スイッチボックス(コンセントボックス)を留めていた木ネジが取れましたら、誤って壁内に落とすのを防ぐためにも、このように壁の外に出しておきます。


スイッチボックス(コンセントボックス)にはこのように配線が通っています。
なので、高さを変える場合に電気ケーブルを手繰ることになるわけですが、この状態のまま壁内に突っ込んで手繰って所定の位置まで持っていき、ボックスをその所定の位置で取り付けるっていう形になります。


後述しますが、木造軸組み工法の内壁かつ非耐力的でないと、このようなにコンセント本体とスイッチボックス(コンセントボックス)を電気ケーブルを手繰って壁内で動かすのに十分なスペースを確保できない(又はその可能性が高い)です。



続いて、移設先の壁にカッターで穴をあけます。
サイズは9cm×4.5cm程度です。(単体の場合。そうでない場合にも、元々ついていた穴に合わせればいいと思います。)

新設する場所は、元々コンセント等があった真上になります。
元々コンセント等があった位置を、壁の入隅や近くのドア枠なんかから水平寸法を控えておき、その寸法から位置を特定した方がいいですね。
そうしたら、予め鉛筆で9cm×4.5cm程度の穴を薄く下書きしておきます。
その場所に石膏ボードの下地(貫)があると穴を開けられないので、下地探しで予め穴を開ける場所に下地がいないか確認してきます。

そんな事前準備をしたのち、カッターを入れます。
その際、あまりにもカッターの刃を長くしてやると折れやすくなるばかりか、その裏にある電気ケーブルの被覆を傷めることになりかねないので、石膏ボードの厚みである9~12mmを貫通するのに十分な長さ(2~3cmもあればよいかと)でやった方がいいと思います。

この後、電気ケーブルを手繰って穴を開けた位置まで持ってきて、スイッチボックス(コンセントボックス)の位置をこの穴に合わせて木ネジで柱又は間柱に留め、コンセント本体をスイッチボックス(コンセントボックス)にネジ留めすれば、移設そのものは完了します。


続いて、元々コンセントがあった位置ですが、穴が開きっぱなしというわけにはいかないので、カバープレートで覆っちゃいます。
施工手順は、コンセントと全く同じです。


で、カバープレートで覆っちゃった図。
見栄え的にも、まあ許容範囲だよねと言ったところでしょうか。



【施工可能な場所が限られる理由とか】


木造在来軸組み建築の、壁の中を水平にぶった切って上から見た図(水平断面図ともいう)です。
柱と間柱が455mm間隔で配置されますが、これにスイッチボックス(コンセントボックス)を木ネジで留めてるんですよね。

今回のDIY技は、柱と間柱の間に空間があることを利用してやっていますが、それ故、空間がしっかり確保されている『内壁(間仕切り壁)』かつ『非耐力壁(筋交い等がないところ)』でないと、失敗する可能性が格段に高まります。


まず『内壁(間仕切り壁)』でないとできない理由ですが、一般的に外壁にはこのように断熱材がびっちり詰め込んであります。
中には外断熱といって、壁内に詰め込まないで外側に張り付ける方法もありますが、数としてはこの写真のような施工方法が圧倒的に多いと思います。

この状態では、とてもじゃありませんが電気ケーブルを手繰ってスイッチボックス(コンセントボックス)ごと移設するなんて、できたもんじゃありません。
無理にやって断熱材を傷めるのも嫌ですしね。


そして、内壁であっても『非耐力壁(筋交い等がないところ)』でないと、失敗する可能性があります。
筋交いとは、地震や風などの横に生じる外力に対して強度を持たせるために入れる構造部材です。
ご覧の画像のように配置されるものですが、コンセントやスイッチを動かしたい位置への移設経路にこれが入っていると、そこを電気ケーブルを手繰ってスイッチボックス(コンセントボックス)ごと通すのは、ちょっと難しそうです。

また、筋交いの場合はまだ何とかなる場合がありますが、構造用合板(ベニヤ)が耐力壁となっている場合には、移設先の穴をカッターで開けることは適わずお手上げです。


といったところで、大したDIYじゃありませんが、この手の情報が見つからなかったのでネタにしてみました。
もし真似される方は、くれぐれも感電や手の怪我(カッターを使うので)にはご注意ください。


んでは!